対談:帯津良一先生から学ぶ医療人としての心、患者さんやご家族への想い

Beauty✻Life通信   Vol.9

私MIKIKOは、看護師として、様々な経験をしてきましたが、がん医療に携わることで、「自分らしく生きる」ことが、いかに尊いことか、多くの患者さんとご家族から学ばせていただきました。

「自分らしく生きる」ことのサポートをしていると様々な治療やケアの方法があることを知ります。
患者さんやご家族から教えていただくことも多々あります。

気づくと私のやっていることはホリスティック医療そのものでした。

帯津先生との出会いは、私自身を癒してくださいました。お話を聞き、笑い、共感しました。その後、多くの著書を拝読し、付箋としるしでいっぱいです!

帯津先生のお考えは患者さんやご家族、そして多くの方々の心に勇気と癒しをもたらすと感じ、
今回の対談に至ります。

MIKIKO:帯津先生、本日は宜しくお願い致します。まず、お伺いしたいことは、私が看護師として26年間していて思うことなのですが、たくさんの医療の情報がある中で必要な情報が患者さんに届いていないな、と思うことが多々あります。帯津先生の経験の中で助言をいただけたら、と思います。

帯津先生:私の所へ来る患者さんは、オーソドックスな治療ではなくて、例えば抗がん剤でも手術でもないようなものを求めてくる方が多いんです。漢方薬だって、サプリメントだってホメオパシーだって、とにかく私が診断して手術が一番いいと思ったら、そのように言います。そのためには手術が一番いいんだけど、がんの進み方からいうと抗がん剤をやることも必要になってくるだろうと話すんですね。特に、女の人は嫌ですと言います。私は抗がん剤は死んでも嫌です、と言います。あなたが主人公なんだから、あなたが取捨選択すればいい、私はあなたが取捨選択した治療法が分かったら、それに対してお手伝いしますよと言います。そう言うと、じゃあ、お願いします、と。それじゃあね、一週間後にまた来てください、ご家族とよく相談して、これで行くんだというのが分かれば、それをお手伝いします、と言います。

そうやってきて、やっぱり手術も抗がん剤もやりません、代替療法でいきます。漢方薬とかサプリメント、ホメオパシー、気功とそういったもので組み立ててくださいと言われたら患者さんと相談してね、こうしようって組み立てて、しばらくやってデータをみながら、あまり効果が得られてないようだったら、また話し合って内容を変えてみたりします。

それから手術や抗がん剤をそのまま、分かりましたと、手術や抗がん剤が嫌だったけど、先生に言われてやっぱり必要なものはやったほうがいいですね、と。例えばその場合は、手術だったら、私は食道がんの専門家ですがね、食道がんの手術は何十年ってやってないからね、自分がやるんじゃなくて、しかるべきところをあなたが探すか、探せないんなら私が紹介状を書くということで方向転換する方もいます。どちらにしても私の判断でこうしたほうがいいというのは必ず患者さんに言います。それは絶対やだってのがあっても、それはそれでいいから一週間考えて決定したらその通りにやってるんですね。

MIKIKO:今、先生のお話であった患者さん自身が主人公ということ、非常に共感しています。人生の主人公はその人自身だと思います。

帯津先生:そう。

MIKIKO:それでもお医者様の意見に従わなきゃいけない、といったように、どうしても医療者の方が上になっているような感じがするんですよね。

帯津先生:そう、だってね、私が川越に病院を始めたのが41か42年前のこと、1982年ですけどね、名前は出したくないが、有名な病院から患者さんが結構流れてきてるんですよ。そういう人たちの大半は抗がん剤を断ったら、もうウチに来ないでと言われたと。いや、これは医療じゃないと思ってね、治る病気も治らなくなりますよ。だから患者さんにそりゃあそうだと、大きい病院もだんだん変わるんだろうけれども、患者さん中心の医療、生きる悲しみを担いたいという気持ちで生きてる、相手の生きる悲しみを見守っていこうじゃないかと、そうすることによって一つの暖かいムードが生まれるから、ということを言ってきた。なかなか大手の専門病院の先生方からは、冷たい言動があってね、そういったことは減らなかったんですよ。ところがね、2015年くらいから10年くらい前からね、少しづつ変わってきましたよ。大きな病院から来る患者さんが怒りで身体を震わせてしゃべることはなくなってきましたよ。今はまともに言ってくれるだと思います。

MIKIKO:私はがん医療に関わってきましたが標準治療を経験して、手術室・病棟・外来、そして自由診療の治療にも関わってきました。自由診療に来る患者さんは標準治療が終わってあとは緩和ケアですよって、患者さんにとってはやることがないと言われると目の前が真っ暗になりますよね。そういった方々に上手く橋渡しをしていきたいと思ってます。何かアドバイスをいただけたら。

帯津先生:治療法がなくなったとき、あとは緩和ケアでってなったとき、緩和ケアはいいですが、緩和ケアだから希望がないっていうわけではなく、毎日希望をもって生きる。毎日希望をもって生きるってのはいいことなので、緩和ケアであっても。

治るチャンスは手放して毎日少しでも苦痛をとっていければいい、そういうんじゃないと思います。大手の病院から緩和ケアすすめられた人、わりあい若い人も来るんです。西洋医学的な治療が枯渇(こかつ)しても私は治りたい、だから先生、西洋医学以外でも治る方法はないんですか、と来るから。いっぱいあるけど、ただエビデンスがない。エビデンスがない方法だからこれをやれば絶対に治りますよとは私たちは絶対に言えない。ただエビデンスを全部そろえて確立するものでもないからエビデンスがなくても効く場合だってあるし、そういう意味では可能性を漠然と求めてやるのもいいんじゃないですかと言うと、じゃあ、先生、入院させてくれますか、と。

そして、うちの気功をやったり漢方薬飲んだりね、色んなこと始めるんですけどね、私が戦略を作っていくんでね、一人一人。とにかく戦力の第一は心の養生。

心の養生は基本的にはときめきのチャンスを逃さない、ということを言うんです。普通の人は、「分かってます」って言ってくれるんです。大手の病院から緩和ケアと言われて逃げ出してきた人は、「いや無理ですよ」と。「だって、あちらの病院を出るときに余命6ヶ月ですよって、最後に言われたんです。もう1か月たったから、あと5か月しかないのに、ときめいてなんていられません」って言うんですよ。私はね「どんな時でもチャンスはあるから、それを素直に受け入れるかどうか。成功率がなくても、とにかくいったん目指したんだから、やってみたらいいんじゃない」と言います。すると「先生はどういう時にときめきますか」って言ってきます。そういった時は真面目に答えてね、病状や年齢にあわせた方法、ときめきの方法を教えます。

いくらでも相談しあって、(患者さんと)二人で話し合って、二人とも戦友の仲だと言います。片方が治される人、片方が治す人、そうじゃなくって両方が戦友で、二人で少しでも戦略を作ってできるだけいい結果を得ようと、そういうことなんです、と言います。結構、戦略会議って昔は年中やってたんです。うちの病院は全部個室ですから、こちらが行けば一人いるだけですから、周りに聞かれる心配はないし二人でしゃべってればいいんです。ただねお互いに知識の範囲が違ったりするから、そこを合わせていくわけです。そこで上手く共通点を見いだしていくんです。

帯津先生との対談、次回は「帯津先生から学ぶ、いい医者の選び方」へ続きます。


【帯津良一】

医学博士
帯津三敬病院名誉院長
埼玉県川越市に生まれる
東京大学医学部卒業
東京大学医学部第三外科に入局し
その後、都立駒込病院外科医長などを経て、
1982年 埼玉県川越市に帯津三敬病院を設立
2004年 池袋に帯津三敬塾クリニック開設

日本ホリスティック医学協会名誉会長
日本ホメオパシー医学会理事長

帯津良一先生をゲストにお招きして、イベントを企画しております。

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【東京国立科学博物館】
日本館の建物は国指定重要文化財。建物をじっくり見るのも楽しみの一つです。中でもステンドグラスはオススメです。上野に行かれた時は、ぜひ足を延ばしてみてください。

本杉樹子
(看護師MIKIKO)

【バックナンバー】
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