女性の力を世界の平和に‐ロシアのウクライナ侵攻に思う‐

かねてより筆者は「政治家は女性、科学者は男性に任せる方が人類発展のためになる」、と主張している。
政治は女性に限る、とする法律でも出来れば、世界は平和を維持し、人類はもっと発展するのではないかとさえ思う。

理由は簡単である。
女性は子供を産み育てる。従って子供を戦争に送ることを良しとしない。
その結果、戦争や争いは極力避けるだろう。


歴史的に観て戦争を仕掛けたのは一部の例外を除いて、全て男性である。
現に行われているプーチン政権のウクライナ侵攻がそうであるが、近代でもヒットラー、スターリン、毛沢東などによる多くの殺戮は歴史の示すところである。

これまでに女性を国の政治家のトップに据えれば戦争によって多くの人命が犠牲になることは極力避けられただろう。
歴史的に観てもエジプトのクレオパトラをはじめ英国のエリザベス1世、ロシアのエカテリーナ2世、インドのインディラ・ガンジー、中国の宣太后、我が国の推古天皇などは戦争を自ら進めてはいない。
平和を希求している。
現代でも英国のマーガレット・サッチャー首相、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、ミャンマーのアウンサン・スーチー女史、台湾の蔡英文総統、オーストラリアのジュリヤ・ギラード首相など皆平和主義者である。

政治は理想よりも現実を直視しそして将来に備えることが求められる。
女性は子供を育て上げる本能的な力を有していることから紛争が生じても現実的な方法で処理するだろう。
男性は非現実的な主義主張を追求し腕力を振り回し武力で相手をねじ伏せる方向に走りやすい。今のウクライナ紛争を観ればよく解る。

ウクライナ紛争を早く解決させるには女性の世論を大きくしていくことが必須ではないだろうか。ロシアの女性、ウクライナの女性、そして世界の女性が結束して声を上げることは出来ないものかと、切に思う。

男性は腕力に勝る。
しかし平和は腕力では解決できない。腕力はいろいろな力仕事やスポーツの中でも腕力を要する格闘技には向いているだろう。例えば、相撲、ボクシング、サッカー、などなど。最近はこれらのスポーツを女性もやるそうであるが、どうも見ても美しくない。
女性がサッカーボールを蹴っていく姿は筆者には美しく映らないし面白くもない。女相撲もあるようであるが、これに至っては筆者はあまり観たくもない。

男性は理想を追い求めてひたすら走る。
科学するのはこの性向と体力は重要である。これまでの歴史を振り返ると、政治も科学も僅かな例外は除いて多くは男性が活躍してきた。これは男性が腕力で女性の社会進出を力でねじふせてきたことによるのが原因である。これは人類の発展にとって負の遺産と言うべきではないだろうか。ある国では今でも宗教的理由で女性の教育や社会的進出を抑えている。大きな国家の損失であるし、ひいては世界の損失である。より良い社会や世界を創るにはこれまでの慣習を改革せねばならないのではないか。

少なくとも、政治は女性のみとする、という法律を全ての国が作ってはどうだろう。人類の英知をこの辺で結集してはどうだろう。

頼もしく思うのは近年の女性の社会的進出である。
しかしまだまだ女性は横の連携の下に躍進する必要があるのではないか。それは何も女性の為ばかりではなく人類のより大きな発展に繋がると信じる。

女性の本当の力や美しさは決して男性と同じことをすることではないだろう。
女性にふさわしい専門性をもっと生かしていくべきである。政治ばかりではない。経済・芸術の分野でもそうである。

女性としての力を出すことが出来るような社会を我々皆で真剣に考えることが戦争のない、より発展した社会に繋がるのではないか。
紛争のみならず温暖化の問題に警笛をならすスウェーデンの十代の少女グレタ・トゥーンベリさんも女性ならではと思う。
地球の生きとし生けるものへの慈愛に基づく女性としての使命感からくるものではないだろうか。(2023年3月29日)

筆者:下地恒毅
新潟大学名誉教授・医博・麻酔科医・疼痛専門医・英国王立麻酔科専門医(FRCA)、米国大学麻酔科学会(AUA)名誉会員

関連記事