最大限に活用したい―緑茶パワー!!新茶編―

Beauty✻Life通信   Vol.2

新茶の季節になりました。

「新茶」とは、その年最初にでた新芽を摘み取ってお茶にしたものです。
実のところ、新茶は普通のお茶とは味や栄養成分に大きな違いがあります。

緑茶の味は、3種類の成分で構成されています。
うま味に関わる「アミノ酸」、渋味に関わる「カテキン(タンニン)」、苦味に関わる「カフェイン」の3つの成分です。

新茶はアミノ成分であるテアニンが豊富に含まれているのが特徴です。今回は新茶とテアニンのお話です。

新茶とテアニン

通常、緑茶はカフェインを含んでおり、興奮作用があります。
夜寝る前に濃い緑茶を飲むと眠れなくなるという方もいるかもしれませんね。しかし新茶に含まれるテアニンにはカフェインよる興奮を抑制する作用があり、テアニンが体内に入ると、リラックスを促す神経である副交感神経を優位にする働きがあります。

1.リラックス効果

テアニンを摂取すると約40~50分で脳波にα波が出現します。α波(アルファ波)とは、リラックス時に多く発生する脳波です。

このほかにもテアニンを使用した様々な実験が行われており、脳の興奮を抑えて神経を沈静化させ、精神的なストレスを抑制する効果が確認されています。テアニンによる癒し効果は、科学的にも認められています。

お茶を飲んだだけで緊張が和らぎ、ほっとするのはテアニンのリラックス効果が作用しているからなのです。

2.冷え性の改善

テアニンを摂取しα波が増えた結果、筋肉の緊張がやわらぎ血管が拡張します。血管が拡張するということは血行が良くなります。

テアニンは手足の先の血行障害である冷え性の改善にも効果が期待できるのです。

3.睡眠を促す効果

テアニンは、脳の興奮を抑えて神経をおちつかせる効果があるため、快適な睡眠が得られます。

テアニンを寝る前に摂取することで、寝つきを良くして中途覚醒をなくし、睡眠から覚醒への移行をスムーズにしてくれるためと考えられています。また、脳の抑制系神経を活性化して興奮系神経を鎮めることで、寝つきを良くして睡眠の質を高めてくれます。

4.集中力を高める効果

自律神経の交感神経が過剰に働き、必要以上に緊張し、実力を発揮できない場合があります。

テアニンを摂取することによって、こうした緊張の中でもリラックスして集中力が増し、良い結果を出せる効果があることがわかっています。

5.月経前症候群、更年期障害を改善する効果

テアニンは、女性の体の悩みを改善する働きもあると言われています。

女性の約8割が何らかの悩みを持っているといわれる月経前症候群(PMS)の症状にも働きかけ緩和します。
月経前特有のイライラ、憂鬱、集中力の低下、疲れやすい、むくみといった症状を改善します。同様に更年期障害によるほてり、動悸、イライラ、不安感といった症状も軽減してくれます。

6.高血圧を予防する効果

テアニンに関しての種々の論文があります。

テアニンおよびカフェイン摂取した際の血圧についての論文もあるほどです。

お役立ち情報:縁起物とされる理由

新茶は、無病息災、不老長寿の縁起物として大切にされています。

日本には、初物を縁起物として大切にしてきた風習がありますが、それだけではありません

夏も近づく八十八夜♪~という歌でおなじみですが、この八十八夜、農業にとってはとても大切な時期になります。

八十八夜までを無事に乗り切ることができるか、それがお米など秋に収穫される農作物に大きく左右します。

八十八夜にお茶が無事に採れた。
これは新茶の収穫の祝いでもあり、その後のお米の収穫への祝いでもあります。

農作物にとって霜は大敵です。人間の長い農耕の歴史は自然、霜との戦いといってよいでしょう。
その霜が終わる時期が八十八夜なので、これがめでたくないわけがありません。新茶が採れることは、霜の終わりを意味します。
昔から八十八夜に採れるお茶を霜の終わりを告げるものとして喜び、縁起物として扱ってきたようです。

簡単レシピ:お茶殻も活用しよう

水に溶けださず茶殻のほうに残る栄養成分があるそうです。茶殻に残る栄養成分として、たんぱく質、ビタミンA(βカロテン)、ビタミンE、食物繊維、たんぱく質、クロロフィル、ミネラル類などが含まれています。

①しらすやジャコとごま油とお醤油で炒めて、ふりかけにする

②卵焼きに混ぜる

③チャーハンの具に混ぜる

看護師MIKIKO

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✻ 知ると好きになる⁈―クルクミンの話―

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